NBI 日本バイオロジカルズ
 
Q&A

Q&A  - よくある質問と答え -


Mg生ワクチン(NBI)を中心とする弊社製品の取り扱い方について
Dr.NBIが皆様のご質問にお答えします。

Question


Q.01 ・ Mg生ワクチン(NBI)のワクチン株はどのような株ですか?
Q.02 ・ Mg生ワクチン(NBI)はどのように投薬するのですか?
Q.03 ・ スプレーで接種することは可能ですか?
Q.04 ・ Mg生ワクチン(NBI)は凍結品(-70度以下保存)ですが、凍結乾燥品はないのでしょうか?
Q.05 ・ Mg生ワクチン(NBI)の輸送条件と保存条件はどのようにしたら良いのでしょうか?
Q.06 ・ Mg生ワクチン(NBI)はいつ接種したらよいのですか?
Q.07 ・ ts-11株はMg野外株を突然変異剤で処理した株ですが、元の親株(病原性を有している)に戻ってしまうことはないのでしょうか?
Q.08 ・ ニューカッスル病ワクチンのような他の呼吸器病生ワクチンとMg生ワクチン(NBI)を同時接種しても良いのでしょうか?
Q.09 ・ 産卵鶏に接種した場合、卵を介して(垂直感染)の感染はありますか。
Q.10 ・ 接種されたMg生ワクチン(NBI)は上部気管でどのような役割をもっているのですか?
Q.11 ・ 欧米で使用されているMg生ワクチンのF株や6/85株と比べて、Mg生ワクチン(NBI)の効果はどのようなものですか?
Q.12 ・ 米国の温度感受性Mg生ワクチン(ts100株)と比べて、Mg生ワクチン(NBI)は違いがありますか?
Q.13 ・ 上部気管で増殖しているMg生ワクチン(NBI)は、どのくらい長期間にわたり存在しているのですか?
Q.14 ・ ワクチンがテイクしたか、しないかは、血清反応で確認すると思いますが、接種後、どれくらいの期間で陽性になり、
どれくらい持続するのですか?

Q.15 ・ 抗菌性物質で治療している鶏群にこのワクチンを接種してもよろしいですか?
Q.16 ・ 強制換羽後の鶏の接種は可能ですか?
Q.17 ・ Mg生ワクチン(NBI)を接種すると、どのくらいの期間で効果をあらわしますか?
Q.18 ・ Mg生ワクチン(NBI)を2回接種すると、ブースター効果が認められますか?また、既に市販されているMg不活化ワクチンを
接種すると、ブースター効果が認められますか?

Answer


Q.01 ・ Mg生ワクチン(NBI)のワクチン株はどのような株ですか?

 オーストラリアのMG感染鶏から分離されたMG株を、メルボルン大学ホィティアー博士が突然変異誘発剤で処理し、作り出した温度感受性変異株(ts-mutant)であり、ts-11株と呼んでいます。このts-11株は33度の低温で良く増殖し、39.5度の高温の増殖が悪い特長を持っています。すなわち、ニワトリに接種すると眼下洞や気管のような上部気道で増殖し、下部気管や気嚢ではほとんど増殖しないため、病原性を示しません。



Q.02 ・ Mg生ワクチン(NBI)はどのように投薬するのですか?

 点眼接種で行います。添付の点眼用器具でニワトリ1羽当たり1滴(0.03ml, ts-11株を5×10^7ccu以上を含む)接種すれば確実な免疫が得られます。このワクチンは安全性が非常に高く同居感染をしないため、ニワトリ1羽ずつ確実に接種する必要があります。また、表1に示したとおり、接種量も溶解したワクチンを薄めることなく、1滴確実に接種しなければ確実な免疫は得られません。

最少有効免疫量(日本)

気管肉眼病変陽性率(%) 気管組織病変陽性率(%) 防御率(%)
1ドース 7(1/14) 21(3/14) 79
1/10ドース 57(8/14) 71(10/14) 29
1/50ドース 54(7/13) 77(10/13) 23
1/100ドース 50(7/14) 79(11/14) 21
無免疫対照 60(9/15) 80(12/15 -

備考:
3週齢のSPF鶏に各用量のMg生ワクチン接種、接種4週後に強毒MG R株で攻撃。攻撃2週後に判定。

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Q.03 ・ スプレーで接種することは可能ですか?

 適切なスプレーでの接種方法が確立されていないため、現在のところ不可能です。市販のスプレー器などで行うことは、1羽分(5×10^7ccu以上)を確実に接種することが難しく、接種量不足になりかねません。また、同居感染しないため、免疫されたニワトリから他のニワトリが免疫されることはありません。したがって、鶏舎内にワクチン株が蔓延することはありません。



Q.04 ・ Mg生ワクチン(NBI)は凍結品(-70度以下保存)ですが、凍結乾燥品はないのでしょうか?

 凍結されているMg生ワクチン(NBI)は1ボトル当たり5×10^10ccu以上と高い菌数と高い活力を持っています。そして、融解して、1羽分(5×10^7ccu以上)接種することにより効果が発揮されます。マイコプラズマの中でも特にこのワクチン株はかなり弱い菌株のため、凍結乾燥すると高い菌数と活力を維持することができません。したがって、現在のところ、凍結乾燥品はありません。

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Q.05 ・ Mg生ワクチン(NBI)の輸送条件と保存条件はどのようにしたら良いのでしょうか?

 注文後、ドライアイス詰めにされたワクチンが宅配便にて到着します。到着後、開封して凍結の有無を確認し、ただちに冷蔵庫の冷凍室(-20度)に入れて下さい。4週間は安定です。養鶏場がワクチン保存場所から遠い場合は、クーラーボックスに入れ運搬して下さい。融解は37度以下の微温湯水で行って下さい。通常、10分間位で融解します。決して熱温湯中では融解しないで下さい。融解を確認後、専用の点眼器をボトルに付け、ニワトリに接種して下さい。接種後は点眼器とボトルは消毒薬の中に入れて消毒して下さい。



Q.06 ・ Mg生ワクチン(NBI)はいつ接種したらよいのですか?

ニワトリの免疫機構は2週齢以降に発達すると言われています。接種時期は、Mg生ワクチン(NBI)が1回の点眼接種で産卵鶏の一生涯、効果を持続することから、3週齢の接種が推奨されます。また、この時期の鶏はまだ小さく接種が比較的容易です。産卵開始前1ヶ月以内の接種は避けて下さい。
もし、ワクチン接種を忘れ産卵開始前の鶏群がMgに感染したら、直ちにミロサマイシン(商品名:マイプラビン)のようなマクロライド系抗生物質で治療して下さい。

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Q.07 ・ ts-11株はMG野外株を突然変異剤で処理した株ですが、元の親株(病原性を有している)に戻ってしまうことは
ないのでしょうか?

 このts-11株をニワトリからニワトリに3代(4代目以降は分離できなかった)または培地での13代継代しても元の親株に戻らなかった試験成績があります。
実際の養鶏場においては、接種されたワクチン株を分離・培養して継代するということはありませんので、先祖帰りすることはないと考えられています。



Q.08 ・ ニューカッスル病ワクチンのような他の呼吸器病生ワクチンとMg生ワクチン(NBI)を同時接種しても良いのでしょうか?

 欧米でかつて使用されたMGワクチン(F株やR株)は同時接種すると干渉作用があります。表2に示すように、F株やR株に比べると非常に軽度ですが、ニューカッスル病・鶏伝染性気管支炎混合生ワクチン(NB)と同時接種すると若干の気管支炎を呈します。したがって、NB生ワクチンとの同時接種は避けてください。
しかしながら、ニューカッスル病生ワクチン(ND)、鶏伝染性気管支炎生ワクチン(IB)及び庭落ち利伝染性咽頭気管支炎生ワクチン(ILT)との同時接種では干渉作用がなく、接種しても何ら問題はありません。

表2:ニューカッスル病・鶏伝染性気管支炎生ワクチン(NB生ワクチン)とMg生ワクチン(NBI) 同時接種の反応

臨床症状スコア  気管支炎の陽性率
 Mg生ワクチン(NBI)+NB  0.5  5
F株+NB  2.5  30
R株+NB  3.0  25
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Q.09 ・ 産卵鶏に接種した場合、卵を介して(垂直感染)の感染はありますか。

 Mgは、介卵感染がその重要な汚染源とされています。ニワトリの卵巣や卵管は体内深部にあり、体温が高く(39.5度以上)、ts-11株は増殖しにくいため、介卵感染しないと考えられています。Mg生ワクチン(NBI)は、産卵鶏に接種し、その後、産卵された卵の卵黄からワクチン株が分離されることはなく、垂直感染はありません。



Q.10 ・ 接種されたMg生ワクチン(NBI)は上部気管でどのような役割をもっているのですか?

 接種されたMg生ワクチン(NBI)は上部気管で増殖します。眼下洞、気管は、MGの感染経路であり、Mg生ワクチン(NBI)の増殖は体液性免疫を増加するとともに、これらの部位を局所免疫で防御すると考えられています。MG野外株が侵入してきても、Mg生ワクチン(NBI)の存在はこれらを防御し、発症させません。不活化ワクチンは上部気道で増殖することがないため、局所免疫を賦与することはありません。

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Q.11 ・ 欧米で使用されているMg生ワクチンのF株や6/85株と比べて、Mg生ワクチン(NBI)の効果はどのようなものですか? 

米国で実施されました成績を表3に示しました。8週齢のニワトリにそれぞれのワクチンを接種し、3週間後の防御率を比較した成績では、Mg生ワクチン(NBI)は90%の防御率を示し、6/85株やF株より高い防御率を示しました。また、Mg生ワクチン(NBI)は同居感染しなかったのに対し、6/85株は30%、F株では100%同居感染しました。ワクチン接種後、16~18週間後にMGを攻撃した成績においても、Mg生ワクチン(NBI)は6/85株やF株より高い防御率を示しました。

表3:3種類のMG生ワクチンの有効性比較 

 群

 MG感染率(%)

 防御率(%)

 Mg生ワクチン(NBI)

 10

 90

 6/85株

 70

 60

 F株

 50

 50

 無接種対照

 100

 0




Q.12 ・ 米国の温度感受性Mg生ワクチン(ts100株)と比べて、Mg生ワクチン(NBI)は違いがありますか?

 ホイティアー博士によれば、ts100株は先祖返り(病原性復帰)があり、病原性が残っているためMg生ワクチン(NBI)の方がワクチン株として優れています。

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Q.13 ・ 上部気管で増殖しているMg生ワクチン(NBI)は、どのくらい長期間にわたり存在しているのですか?

 SPF鶏を用いた試験では、接種後40週目にMg強毒株で攻撃試験を行ったところ、防御した成績がありますので、それ以上の免疫持続効果があると考えられます。
また、表4に示したとおり、接種後30週間、Mgの強毒株の攻撃に対し、88~100%の高い防御率を示しました。

表4:ワクチン接種後のMg攻撃に対する効果(米国 セレクト社)
防 御 率 (%)
 ワクチン接種後週 3 6 9 12 18 24 30
 Mg生ワクチン(NBI) 88 100 100 100 100 90 100

備考:3週齢のレイヤーに点眼接種後、強毒MgR株で攻撃。



Q.14 ・ ワクチンがテイクしたか、しないかは、血清反応で確認すると思いますが、接種後、どれくらいの期間で陽性になり、
どれくらい持続するのですか?

 日本で行いました野外試験では、接種後4週間でMg急速凝集反応が陽転し、24週間持続しました。また、オーストラリアの試験成績では接種後3週間でMG急速凝集反応及びELISA共に陽性となり、30週間持続しました。

ワクチン接種後のMg急速凝集反応成績(日本)
陽 性 率 (%)
 ワクチン接種後週 0 4 8 16 24
 Mg生ワクチン(NBI) 0 95 100 100 80

ワクチン接種後のMG急速凝集反応成績(オーストラリア)
陽 性 率 (%)
 ワクチン接種後週 3 6 9 12 18 24 30
 Mg生ワクチン(NBI) 90 100 100 100 100 100 100
 無接種対照 0 0 0 0 0 0 0

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Q.15 ・ 抗菌性物質で治療している鶏群にこのワクチンを接種してもよろしいですか?

 動物用機薬品である抗菌性物質投薬期間及び残留期間中の接種は避けてください。しかし、一般の飼料中に含有されている抗菌性飼料添加物はほとんど体内に移行しませんし、移行しても微量のためワクチン株に影響を与えることはありません

Mg生ワクチン(NBI)接種鶏への抗菌性物質投与について
Mg生ワクチン(NBI)のワクチン株であるts-11株は、野外のマイコプラズマ・ガリセプチカム(Mg)と同様に各種抗菌性物質に感受性があります。呼吸器性マイコプラズマ病の治療に用いられている帰化の薬剤にも感受性を有しております。

アミノグリコシド系(スペクチノマイシン:SPCM):
マクロライド系(ジョサマイシン:JM):
         (テルデカマイシン:TDM):
         (ミロサマイシン:MRM):
         (リンコマイシンLCM):
テトラサイクリン系(オキシテトラサイクリン:OTC):
            (クロルテトラサイクリン:CTC):
            (ドキシサイクリン:DOXY):
キノロン系(オキソリン酸:OXA):
       (エンロフロキサシン:ERFX):
       (ダノフロキサシン:DNFX):

 Mg生ワクチン(NBI)は点眼接種後、気管上部に定着し、一生そこに生存し続けMgに対するワクチン効果を発揮します。移動時、ワクチン接種時(特にIBD、IB等)のリアクション対策で抗菌性物質を投与する場合は、Mg生ワクチン(NBI)接種前であれば各製剤の用法・用量に従い投与し、Mg生ワクチン(NBI)は抗菌性物質投与1週間後に接種してください。
 Mg生ワクチン(NBI)接種後は、Mgの治療目的で抗菌性物質を投与する必要は全くありません。大腸菌その他の菌に対する治療目的で抗菌性物質を投与する場合は、Mgに感受性が全くない以下の薬剤を投与してください。

ペニシリン系(アモキシシリン:AMPC):
        (アンピシリン:ABPC):
アミノグリコシド(カナマイシン:KM):
          (ジヒドロストレプトマイシン:DSM):
          (フラジオマイシン:FM):

 もし、どうしてもMgに感受性のある薬剤を投与する場合は、飲水添加投与はやめてください。飼料添加投与の場合は、治療用の最低量を短期間接種してください。(Mg生ワクチン(NBI)が生存している気管上部は血管があまり密でないため、薬剤の移行は少なく、ワクチン株が殺される可能性は少ない。飲水投与の場合は、気管に誤飲されワクチン株が殺される可能性がある。)ニューキノロン系製剤は大腸菌、サルモネラ菌、及びMgに極めて感受性が高く治療効果が高い薬剤ですが、耐性誘導をしやすいため、第一選択剤が無効の場合に慎重に使用してください。



Q.16 ・ 強制換羽後の鶏の接種は可能ですか? 

 Mg生ワクチン(NBI)は1回の点眼接種で採卵鶏の一生涯効果が持続しますので接種する必要はありません。

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Q.17 ・ Mg生ワクチン(NBI)を接種すると、どのくらいの期間で効果をあらわしますか?

 接種後、1週間で強毒Mg株の攻撃に対し防御効果を示しました。



Q.18 ・ Mg生ワクチン(NBI)を2回接種すると、ブースター効果が認められますか?また、既に市販されているMg不活化
ワクチンを接種すると、ブースター効果が認められますか?

 Mg生ワクチン(NBI)は1回の点眼接種で産卵鶏の一生涯効果を発揮します。また、2回接種してもMg不活化ワクチンを接種しても、ブースター効果は認められませんので、3週齢以降に1回点眼接種で十分です。

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