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APM 777
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驚愕のMg/Msワクチン
「驚異のMs/Mg生ワクチン」
バイオプロパティーズ社
デイビッド・ティンワース先生
1999.11.05 NBI国際シンポジウムにて
MS-Hワクチンもまったくts-11と同様に、突然変異を使って温度感受性株を選択し作出しました。この株の性状もts-11とほとんど同じですが、感染性がMS-Hの方が強く、同居感染も多少します。しかし、同居感染は鶏同士の直接接触がないと成立しません。MS-H生ワクチンの接種で呼吸器感染を防御すると共に関節炎の防御もします。これも一生涯持続感染して防御効果を発揮します。われわれの試験では65週齢鶏からもワクチン株が分離されました。MS-Hの防御効果もいずれの不活化ワクチンの効果よりも優れています。特に肉用種鶏においては産卵を向上させます。非常にいい抗体を応答が認められます。
MS-Hワクチンの作出
・オーストラリアの野外分離株を突然変異剤で
処理し、作出した非病原性株
・温度感受性を指標として選択
今からMSMGの接種上の注意点をお話しいたします。非常に感染力が弱いので、1羽1羽必ず点眼で行って下さい。これは必要量を確実に鶏に投与するために欠かせません。接種は3~16週の間に1回接種します。3~16週と言いましたが、その間で野外のMG感染が起こる前に接種する必要があります。なぜそうする必要があるかというと、MGの性質として鶏に最初に感染した株が持続感染しますので、ワクチンの効果を発揮させるには野外株より先にワクチン株を定着させる必要があります。1羽分は0.03ml、これは一滴ですが、そこに5×10の7乗のts-11株が入っています。MS-H株の1ドースはそれの約1/10です。MGとMSは同時に接種することができます。その他のウィルス性のワクチンと同時に行うこともできます。抗生物質を使用するときはワクチン株に影響を与えないものを選択する必要があります。オーストラリアでは法律で禁止されていますので問題はないですが、発展途上国では抗生物質はほとんど際限なく使っていますので、注意する必要があります。
MG及びMS生ワクチンの接種上の注意
・4週から16週の間に点眼接種
・MG又はMS野外株感染前に接種する。
・1ドースは30ul
・呼吸器系のウイルスワクチンと同時接種可能。
・ワクチン接種群では、抗生物質はベータラクタム系
やサルファ剤/トリトプリム使用
ts-11生ワクチンは現在ではMGワクチンの主流となっており、オーストラリア、日本、インド、タイ、フィリピン、韓国、中国などで承認されています。さらに米国、南アメリカ各国でも承認されています。まもなくヨーロッパでも承認される見込みです。
安全性が高いので世界中で広く使用されています。現在の年間使用量は全世界で約8000万ドーズです。感染性が低いので、感染を成立させるにはかなりの菌量が必要となります。ですから同居感染はほとんど起こりません。前にも説明しましたが、MG汚染農場であっても厳密なバイオセキュリティのもとでこのワクチンを継続して使用することで、その農場からMG野外株を排除することができます。特にMGに汚染された種鶏農場でMGフリーにしようとする場合は非常に重要となります。ts-11生ワクチンの継続使用で野外MG株が鶏群から排除されていくということが証明されています。
下はワクチンの有効性を強毒株の攻撃で評価したものです。強毒株の攻撃でワクチン無接種群では気管粘膜がかなり肥厚していますが、ワクチン接種群では肥厚がほとんど認められません。つまりワクチンの有効性が証明されています。
ワクチン無接種鶏の攻撃後の気管病変
・ワクチン無接種鶏を噴霧攻撃した後の
特徴的気管病変
・平均の粘膜厚さ=238.0um
・平均病変スコア=0.5
ワクチン接種鶏の攻撃後の気管病変
・ts-11接種鶏を接種40週後に噴霧攻撃
した後の
特徴的気管病変
・平均の粘膜厚さ=73.2um
・平均病変スコア=0.5
MG生ワクチンを使うことによる経済的な効果をお話しします。不活化ワクチンは抗体を産生しますが、感染防御に関してははあまり有効ではありません。
下の表は不活化ワクチンとts-11生ワクチンの有効性を攻撃によって比較したものです。攻撃後の気管粘膜の肥厚と抗体応答を見ています。抗体応答に関しては、不活化ワクチン群は非常に高く凝集スコア3.7です。それに対してts-11群は1.8と低いですが、攻撃後の粘膜肥厚を見てみると、不活化ワクチン群が251μm、ts-11群は71.4μmですから、ts-11の防御効果が非常に高いことがわかります。不活化群の粘膜肥厚の程度は、対照群は253μmですから、対照群とほぼ同じです。つまり、不活化ワクチン接種群は、抗体は上がったけれども防御していないという結果を示しています。
ts-11と市販不活化ワクチンとの有効性比較
群
羽
凝集
スコア
粘膜厚
μm
ts-11
10
1.8±1.1
71.4
不活化ワクチン
10
3.7±0.5
251.1
攻撃対照
10
0
253.6
非攻撃対照
10
0
44.3
不活化ワクチンの副作用のひとつは接種反応が強いということで、接種部位にこの様な病変を作ります。その結果、産卵の開始が明らかに遅れるというようなことが認められ、生産性に悪い影響を及ぼします。生ワクチンを使うことにより、接種反応により影響がなくなりますので、生産性が向上します。生ワクチンは鶏に優しいワクチンです。
下の表は免疫持続を検討したもので、免疫後40週で攻撃したものです。ts-11接種群は粘膜肥厚が少ないことでおわかりだと思いますが、免疫後40週でも噴霧攻撃に対して防御効果を示しています。この試験では、産卵器官への攻撃の影響も観察しています。攻撃後の産卵成績を見ますと、免疫群では77%の産卵率ですが、それに対して対照群は産卵率が30%に落ちました。免疫後40週でも攻撃に対して防御効果が認められ、特に産卵低下の軽減効果が顕著に認められました。さらに、産卵器官からの菌分離では、対照群での分離率は80%でしたが、ワクチン接種群では0%でした。これは垂直感染を防御しているという一つのデータになっています。
呼吸器系への防御は長時間持続する
群
羽
凝集
スコア
粘膜厚
μm
ts-11*
13
1.3±1.0
73.2
攻撃対照*
10
0
238.6
非攻撃対照
9
0
50.6
*ワクチン接種後40週後に噴霧攻撃
産卵気管への防御は長時間持続する
群
羽
産卵率
MG分離
ts-11*
13
77%
0%
攻撃対照*
10
30%
80%
非攻撃対照
9
100%
0%
*ワクチン接種後40週後に噴霧攻撃
産卵成績
コマーシャル採卵鶏(ケージ)
試験群
*平均HH産卵数
(65週まで)
無接種対照群
211.9
ts-11接種群
219.6
*6回の試験の平均
上はオーストラリアで行った野外試験ですが、ワクチン接種群のほうがワクチン無接種対照群より平均して7から8個多く産卵しているという結果が得られています。
下は日本での成績ですが、ts-11と不活化ワクチンの比較を行っています。この試験では76週までの平均でts-11接種群が13個多く産卵しています。次の試験でも76週齢時までのヘンハウス産卵数の比較ですが、不活化ワクチン接種群よりもts-11接種群が23個ぐらい産卵がよかったという結果になっています。これだけ違えばかなりの経済的効果があったと考えられます。この試験では約100万羽使用しています。
産卵成績
コマーシャル採卵鶏(平飼)
試験群
*平均HH産卵数
(76週まで)
MG-BAC接種群
301.2
ts-11接種群
324.3
産卵成績
コマーシャル採卵鶏(ケージ)
試験群
*平均HH産卵数
(76週まで)
MG-BAC接種群
315.3
ts-11接種群
338.4
次にMS-Hの有効性についてお話しします。攻撃によりMSの有効性を評価することは非常に難しかったのですが、何とか確立することができました。MS-Hワクチンはかなり強い防御効果を示しました。これは接種量を変えて有効性を評価した試験です。攻撃後2週の病変指数です。対照群の病変指数が65%だったのに対して、ワクチンを1.2×10の6乗接種した群では50%、2.5×10の6乗接種群では12.5、5×10の6乗群では34.4、1×10の7乗群では3.1でしたから、2.5×10の6乗以上の接種量で攻撃に対して防御が認められています。たまたま5×10の6乗では悪かったですが、1×10の7乗群の病変指数は3.1で非常によい防御が認められたので1ドースは1×10の7乗と設定しました。
MS-Hワクチンの有用性
摂取量
羽数
気嚢病変
陽性羽数
%
0
5
13/20
65.0
1.2
8
16/32
50.0
2.5
8
4/32
12.5
5.0
8
11/32
34.4
10.0
8
1/32
3.1
最後にまとめですが、弱毒生ワクチンであるts-11とMS-Hは、マルチエイジ採卵鶏農場と種鶏場でのMG,MS対策に有効です。MG生ワクチン接種群では産卵成績は向上します。MGMSも両方とも生ワクチンですから不活化ワクチンで見られるような接種反応のような副作用はありません。弱毒生ワクチンはMGMSのコントロールと同時に農場から撲滅するということにも使えます。安全なワクチンです。
より有効性が高く鶏に対する副作用はありません。より鶏に有効で優しいワクチンということになります。どうもありがとうございました。
まとめ
・弱毒ワクチン株ts-11はマルチエイジ採卵鶏群や種鶏場に有効
・その結果、ts-11接種群では、産卵数が増加する
・不活化ワクチン接種で見られるような副作用は認められない
・弱毒ワクチン株MS-Hは、MS対策が必要な鶏群での有効で安全
な手段となる。
・より有効性の高く、鶏に対する副作用の少ないワクチンである。
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